2008/11/15

Gentlemanご来店


よく仕事の事で相談させていただくC氏が木曜日にご来店。
いつも、面白い興味深い小話を聞かせていただいて、なるほど・・・と思うことがある。
昨日はなぜ、カシミヤやシルクを着るのか、高級なものは良いのか。という話をしてくださった。
C氏はいつも素敵な装いで、イギリスのジェントルマンスタイル。いつも、ボウタイやネクタイやシルクのスカーフの色が粋。クラッシックだけど、かなりインパクトのある色使いに目を奪われる。
可愛いといったら怒られそうだけど、女の私は「かわいい!」と表現するのが
一番近い気がする。

C氏の話は「ボウタイ、ネクタイがどうしてシルクなのか・・・・」から始まった。

結論から言うと、「教育」なのだと。
高級なものが単純に良い訳ではなくて、
高級になればなるほど、手がかかる。
シルクで作られているボウタイ、ネクタイはソフトな扱いが必要。
「触る手」の手入れを怠って、ささくれや、つめが割れていたりすると
繊維を引っかいてしまう。
そんな手で愛する人を触ってはいけない。と。
衣服から学ぶのだ。
カシミヤのニットも同じこと。
ケアしていなければには毛玉ができ、
糸がおいしいのかほったらかしにしておくと虫に食べられる。
寒さを防ぐ事、体を隠す事ももちろんあるけど、着ることの意味はここにあった。

私が何故、カシミヤのニットやコートを毎シーズン作るかというとやっぱり
それは、異性、私はレディースの服を作っているから男のため。
というと、かなり語弊があるかもしれない。
カシミヤやシルクを着ると、触れた人がきもち良いねって言う。
感触や匂いは忘れない。
エレガンスの始まりはここからだ。
世の中、生活が簡易化されているけれど、手のかかるものから
学ぶことが多いのは確かだ。
私もその一人。

そして重要な素材はお蚕様、ヤギ様から協力を得て服を作っている。
感謝して作らなければ。
昨日は服のイミをあらためて考えさせられた。

私がはっきり言えるのは、服は男と女のためにあるものだ。
それは永遠に変わらない。